本会議質疑等

令和5年第3回定例会 10月13日

(美術館・図書館再整備に関する討論)

私は、練馬区議会自由民主党および練馬区議会公明党を代表して、陳情第4号・練馬区立美術館建て替え等の再整備方針の見直し等を求めることについて、陳情の順意に反対の立場から討論を行います。
これまで練馬区立美術館は、独創的かつ魅力的な、国内でも評価の高い展覧会を数多く企画されてきました。
一方で、開館から38年を迎え、施設や設備の老朽化に加え、日本でも有数の野見山治コレクションをはじめとした約7,600点の収蔵品を活用するための展示スペースが不足していることや、車いす動線が分かりにくく使いづらいことなど、展示・収蔵環境やバリアフリーなどに多くの課題があります。
そのため区は、平成 29年に策定した公共施設等総合管理計画において、美術館は展示機能などを充実させて、文化施設としての魅力を向上させる方針を打ち出し、平成30年にグランドデザインにより将来像を示し、令和4年には公共施設等総合管理計画 実施計画を策定するなど、美術館再整備基本構想も含めて、さまざまな検討を行ってきました。
また、中村橋駅周辺には、美術館や賞井図書館の他、サンライフ練馬や中村
橋区民センターがあり、それぞれ老朽化や施設としての機能見直しなどの課題を抱えております。これらの課題を解消しつつ、この先何十年経っても誰もが使いやすく魅力に溢れる美術館・図書館とするために、サンライフ練馬の敷地とあわせて全面改築をするものです。
今回示された概算工事費は、解体工事費も含めて 76億円と決して少なくない額ではありますが、中村橋駅周辺地域とその住民、ひいては区全体に将来にわたって最大限の恩恵をもたらす再整備計画であると考えます。その計画過程においては、区民意見反映制度による意見募集をはじめ、オープンハウスやワークショップなど、さまざまな機会をとらえて区民の皆様のご意見を伺ってきました。今後も引き続き、節目節目でご意見を伺い、設計を進める中で、工法や仕様などを工夫・精査し、建築コスト・ランニングコストの低減を図りながら、ふるさと納税制度やクラウドファンディング、起貨などを積極的に活用し、財源の確保に努めていく必要があると考えます。
貫井図書館については、自由にお絵描きや工作などができる児童図書スペース「ブック・アート・キッズスペース」の新設なども描かれ、美術館と併設する新しい貫井図書館の基本設計に取り組んでおります。また、工事期間中、図書館の機能を維持するために、図書資料の貸出や返却などを行う代替施設の設置や、対面朗読やブックスタートなどの事業の継続実施が検討されています。
旧来の機能を大事にしながらもこれからの時代を担うにふさわしい、新しい貫井図書館が誕生することを期待しているところであります。
また、美術の森緑地については、小さなお子様から高齢の方まで、多くの方々に利用されている人気の場所です。工事期間中の利用できない期間をできるだけ短くするなど工夫しつつ、再整備により、美術の森緑地が「まち」と美術館・図書館をつなぐスペースとなるよう期待いたします。
さらに、「まちと一体となった美術館」の実現に向けて、昨年7月から中村橋駅周辺まちづくり検討会を立ち上げ、アートを感じられる街並みの整備などについて検討を重ねています。未整備である中村橋駅から富士見台駅までの線路北側の側道整備も含め、美術館・図書館のリニューアルを契機とした新しいまちづくりにより、さらにまちの暮らしの利便性や魅力が向上することを期待いたします。
引き続き、現計画の美術館・図書館の再整備を進め、中村橋駅周辺はもとより、誰からも長く愛され、区民ひいては日本が誇れる文化芸術の中心となるよう要望いたします。
以上の理由から、陳情の願意に反対いたします。
改めて議員各位の賛同を求め、自由民主党および公明党を代表しての討論を終わります。
ご清聴誠にありがとうございました。

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