本会議質疑等

令和5年第3回定例会 10月13日

(美術館・図書館再整備に関する討論)

私は、練馬区議会自由民主党および練馬区議会公明党を代表して、陳情第4号・練馬区立美術館建て替え等の再整備方針の見直し等を求めることについて、陳情の順意に反対の立場から討論を行います。
これまで練馬区立美術館は、独創的かつ魅力的な、国内でも評価の高い展覧会を数多く企画されてきました。
一方で、開館から38年を迎え、施設や設備の老朽化に加え、日本でも有数の野見山治コレクションをはじめとした約7,600点の収蔵品を活用するための展示スペースが不足していることや、車いす動線が分かりにくく使いづらいことなど、展示・収蔵環境やバリアフリーなどに多くの課題があります。
そのため区は、平成 29年に策定した公共施設等総合管理計画において、美術館は展示機能などを充実させて、文化施設としての魅力を向上させる方針を打ち出し、平成30年にグランドデザインにより将来像を示し、令和4年には公共施設等総合管理計画 実施計画を策定するなど、美術館再整備基本構想も含めて、さまざまな検討を行ってきました。
また、中村橋駅周辺には、美術館や賞井図書館の他、サンライフ練馬や中村
橋区民センターがあり、それぞれ老朽化や施設としての機能見直しなどの課題を抱えております。これらの課題を解消しつつ、この先何十年経っても誰もが使いやすく魅力に溢れる美術館・図書館とするために、サンライフ練馬の敷地とあわせて全面改築をするものです。
今回示された概算工事費は、解体工事費も含めて 76億円と決して少なくない額ではありますが、中村橋駅周辺地域とその住民、ひいては区全体に将来にわたって最大限の恩恵をもたらす再整備計画であると考えます。その計画過程においては、区民意見反映制度による意見募集をはじめ、オープンハウスやワークショップなど、さまざまな機会をとらえて区民の皆様のご意見を伺ってきました。今後も引き続き、節目節目でご意見を伺い、設計を進める中で、工法や仕様などを工夫・精査し、建築コスト・ランニングコストの低減を図りながら、ふるさと納税制度やクラウドファンディング、起貨などを積極的に活用し、財源の確保に努めていく必要があると考えます。
貫井図書館については、自由にお絵描きや工作などができる児童図書スペース「ブック・アート・キッズスペース」の新設なども描かれ、美術館と併設する新しい貫井図書館の基本設計に取り組んでおります。また、工事期間中、図書館の機能を維持するために、図書資料の貸出や返却などを行う代替施設の設置や、対面朗読やブックスタートなどの事業の継続実施が検討されています。
旧来の機能を大事にしながらもこれからの時代を担うにふさわしい、新しい貫井図書館が誕生することを期待しているところであります。
また、美術の森緑地については、小さなお子様から高齢の方まで、多くの方々に利用されている人気の場所です。工事期間中の利用できない期間をできるだけ短くするなど工夫しつつ、再整備により、美術の森緑地が「まち」と美術館・図書館をつなぐスペースとなるよう期待いたします。
さらに、「まちと一体となった美術館」の実現に向けて、昨年7月から中村橋駅周辺まちづくり検討会を立ち上げ、アートを感じられる街並みの整備などについて検討を重ねています。未整備である中村橋駅から富士見台駅までの線路北側の側道整備も含め、美術館・図書館のリニューアルを契機とした新しいまちづくりにより、さらにまちの暮らしの利便性や魅力が向上することを期待いたします。
引き続き、現計画の美術館・図書館の再整備を進め、中村橋駅周辺はもとより、誰からも長く愛され、区民ひいては日本が誇れる文化芸術の中心となるよう要望いたします。
以上の理由から、陳情の願意に反対いたします。
改めて議員各位の賛同を求め、自由民主党および公明党を代表しての討論を終わります。
ご清聴誠にありがとうございました。

令和5年第4回定例会 12月4日

(一般質問)

(浜田ゆきひろ 質問)

私は、練馬区議会自由民主党を代表いたしまして一般質問を行います。

はじめに、お陰様で、今こうして皆様の前で質問する機会を頂けましたこと、今日に至るまで家族や地域の方々をはじめ、多くの皆様に温かく応援していただき、支えていただきましたことに改めて心より感謝を申し上げます。

そして、時代の変遷とともに将来への不安を内包しながら複雑化・多様化する現代社会にあっても、誰もが生きてゆく明日に希望を持てるまち、明るい未来を創ってゆくために全力で取り組んでゆくことをお誓い申し上げ、そのための質問をさせていただきます。
区長ならびに関係理事者皆様の誠意あるご答弁をお願い申し上げます。

まず、今なお進み続ける少子高齢化についてお聞きいたします。
本年1月1日時点での練馬区の年齢別人口を見ますと、総人口約 74 万人のうち、65 歳以上の高齢者は約 16 万 2 千人、高齢化率は 22%であり年々増加傾向であるのに対し、15 歳未満は約 8 万 5 千人で減少傾向にあります。

日本全体で少子高齢化が進む中、令和7年には団塊世代が全て 75 歳以上の後期高齢者になり、さらに令和 22 年には団塊世代ジュニアが高齢者となり、区内でも 4 人に 1 人が高齢者になると見込まれています。

一方で、昨年における国内の合計特殊出生率は 1.26%、出生数は 7 年連続の減少で約 77 万人と過去最少になっており、区内でも減少傾向が続いています。
15 歳~64 歳の生産年齢人口が減少するとさらに社会保障の負担も増え、経済成長にもブレーキがかかるうえ、少子高齢化はピークを過ぎると人口減少にも転じてゆきます。

将来にわたって全ての世代が安心して暮らし続けてゆくためにも、不足する福祉人材の確保や質を伴った地域包括ケアシステムの確立、多子世帯への支援強化を含め、子どもを安心して産み育てることができる環境の整備、高齢者や子どもとその家族への実を伴う支援体制の充実化が必要であり、喫緊の課題と考えますが、この先も進み続ける少子高齢化に対する区の姿勢について伺います。

続いて、福祉人材の確保について伺います。

練馬区高齢者基礎調査によると、介護サービス事業所が事業を運営する上での課題として、51.7%が「スタッフの確保」を挙げ、約 5 割の事業所はケアマネジャー不足を感じていると回答しており、現状においても、将来的にも、介護人材不足は大きな課題です。

そこで、ケアマネージャーの資格取得助成にとどまらず、区による受験講座や介護職員全体のキャリアプランを考える研修等の支援充実も必要と考えますが、改めてご所見を伺います。

また、人材の確保・定着を図るうえでも業務負担の軽減策は欠かせません。本年 4 月から在宅高齢者に介護サービスを提供する事業者間にて、ケアプランの予定や実積をオンラインでやり取りできる、国が推奨する「ケアプランデータ連携システム」の運用が開始されていますが、これらのシステムを活用すれば、事務作業の負担を軽減し、高齢者や家族の要望に対応する時間の確保やサービス向上にも繋がるのではないかと思います。
区としても、システムの使い方講習会や、東京都が行っている導入費用補助事業の周知拡大など、積極的に ICT 導入支援をしていくべきではないでしょうか。ご所見を伺います。

次に、介護福祉士養成施設について伺います。
区は、練馬光が丘病院跡施設における介護福祉士養成施設の整備を令和 7 年 4月の開設を目指して進めており、令和 6 年度から生徒募集を開始すると伺っています。
先般、新聞報道にもありましたが、全国的に介護福祉士養成施設の入学者数は減少し、令和 5 年度の定員充足率は 51.3%にとどまり、入学者全体に占める外国人留学生の割合は約 3 割にのぼっています。
全国的な入学者不足を踏まえると、区としても外国人を含め、入学者を確保する取組が必要と考えます。留学生を確保するためには、日本での生活全般をサポートする取組が重要であり、語学支援や住まいのサポート等も必要ではないでしょうか。
将来の介護の担い手を増やすためには、養成施設に魅力を感じてもらい、卒業後には区内事業所に就職してもらう一連の取組が必要と考えますが、区の見解を伺います。

この項の最後に、手話通訳者について伺います。
私の地元にある心身障害者福祉センターでは、区の手話講習会が実施されているところ、聴覚障害者の方々からは、手話通訳者の高齢化が進んでおり、後進の育成が課題となっていると聞いています。
そうした中で、手話に興味を持っていただき、ステップアップして手話通訳者として活動していただく方を増やしていくためには、研修機会の拡充のほか、手話通訳者の活動支援を充実していくことが重要となります。
特に、手話通訳者の報酬も含めた待遇の改善が必要だと考えますが、区のご所見を伺います。

次に、福祉のまちづくりについて伺います。

高齢者や障害がある方等にとって、移動経路の一箇所においても障壁が存在すれば、移動の円滑性は著しく低下するため、一連の移動経路すべてを継ぎ目なくバリアフリー化することが重要となります。

区では、駅から公共施設までの経路をアクセスルートと定め、経路のバリアフリー化を進めていますが、外出の機会も戻りつつある今、区内移動をどうすれば誰でも安心してできるようになるかという、利用者の視点に立った更なる検討が必要と思います。

まずは公共施設におけるバリアフリーの徹底が不可欠であり、障壁の現状把握が必要と考えます。これまでも、障害者団体の方々からのご要望として、区立施設の不具合等を伺い、施設改築や改修時にその声を反映しているとお聞きしました。一方で、そうした団体に属さない、ご高齢の方々などからも施設の使いにくさについてご意見を伺うことがあります。普段、実際に生活している中で、どういった所が危ないのか、歩きにくいのかなどの情報も広く集め、バリアフリー化に反映すべきと考えます。より広く区民の皆様の声を聴き、バリアフリー化を徹底していただきたいと思いますが、区のご所見を伺います。

また、外出をしても長時間歩行する際には、適度な間隔で腰をかけて休憩できるベンチ等が無ければ、苦痛やリスクの多い外出となってしまいます。より一層、福祉のまちとするためには、公共施設や民間の敷地の一部活用等をして、今以上に腰をかけられる設備の設置が必要ではないでしょうか。

区のアクセスルートにも「長距離移動に配慮し、適当な間隔でベンチ等休憩施設を設ける」という推奨基準があり、これまでにも駅周辺に植栽帯のブロックや柵を活用し、一時的に腰をかけられるよう工夫をしたり、民間施設に働きかけ、ベンチを設置いただいた実例もあります。過去にはベンチを設置した商店会等に助成をする「まちなかほっとベンチ」というプロジェクトを行っていたとも聞いていますが、助成金に限らず、クラウドファンディングやベンチの寄附・設置のご協力をお願いすることも視野に、植栽帯等の工夫を引き続き進めながら、特にアクセスルートを中心にベンチ等の設置を促進すべきと思いますが、区のご所見を伺います。

次に、複合的な課題や悩みを抱える方への支援について伺います。

近年、少子高齢化や核家族化の進展に伴う地域内における繋がりの希薄化に加え、長引いたコロナ禍における外出制限や活動自粛などの影響により、地域での孤立・孤独化が更に顕在化しています。
孤立・孤独状態にある方々のなかには、ひきこもりのほか精神疾患や家族介護の問題を抱えていたり、どこに相談して良いか分からずに家庭の中で複合的な課題や悩みを抱え込んでしまうことも多くあると聞きます。
長期間に渡り必要な支援につながらない結果、更に深刻な問題を引き起こしてしまいまうケースもあるため、抱えている課題の重篤化・深刻化を防ぐためには、早期発見と連携した支援体制の構築が重要であると考えます。

早期発見に向けた取組として、学齢期においては不登校対応の充実が求められますが、学齢期後においては、学校以外での取組が必要となります。区は、本年4月より、「ボランティア・地域福祉推進センター」を複合的な課題を抱える方の相談窓口に位置付け、毎月約10名の方が、新たに相談に繋がっているとのことであり、早期発見に向けた取組として高く評価いたします。
今後、多くの方に相談窓口を知っていただけるよう、周知の強化が不可欠と考えます。区教育委員会では、子どもがタブレットなどから、いつでも相談や SOS を発信できる「子ども相談アプリ」を導入していますが、福祉部門においても、この取組を参考とし、ICT を積極的に活用した周知を行うべきと考えますが、区の見解を伺います。
また、相談窓口の設置に合わせて作成した、周知用のチラシやポスターについても、多くの方の目に留まるよう、支援機関だけでなく、広く区立施設や民間の店舗などで配架することも必要と考えますが、あわせて伺います。

次に、連携した支援体制の強化について伺います。
支援のキーパーソンは、教員や医師等、個人や世帯の状況に応じて様々異なり、変化していきます。そうした現状に応じて、関係機関が情報を共有し、連携した支援を継続的に実施していくことが重要となります。

区では、連携推進担当を中心に各支援の共有などを行っていますが、今後は更に個別事案の支援調整に留まらず、各支援機関同士の情報共有や新たな支援策の検討など、複合的な課題を抱えた方に対する施策のけん引役を担う組織が求められると考えますが、区のご所見を伺います。

次に関連して、自殺対策について伺います。
様々な課題を抱えるなかで、どこにも繋がれず、その悩みが複雑化・重篤化した結果、自殺に追い込まれてしまうケースも多くあるところ、このような事態を招かぬよう特化した支援が必要であると考えます。
昨今、区においても働き盛りの男性や女性、若者の自殺が増加傾向にあると伺っています。自殺の未然防止に向けた取組強化は特に課題であると考えますが、区における未然防止に向けた取組計画についてお聞かせください。また、決算特別委員会では自死遺族支援についても質問しましたが、提案 した区主催の自死遺族の集いの開催も含め、自死遺族支援について検討の進捗についてもお聞かせください。

この項の最後に、薬剤の服用に関する相談支援について伺います。
心に悩みを抱えていても、特に精神科は専門医も含めて数が少なく、相談者は、かかりつけ医一か所に頼らざるを得ない状況になってしまいがちです。抗うつ薬に限らず、薬の服用においては過剰処方・過剰服薬が起きているケースもあり、大量の薬や多剤の服用等による害、ポリファーマシーの問題は命に関わる重大な問題と考えます。
実際に、私の親族も闘病生活の中でこの問題に苦しんだ経験があり、薬の副作用を感じていても服用をやめて大丈夫なのか、苦しさや疑問を抱えていても、医師に処方してもらった薬を素人判断することは難しく最後まで自分達で悩み続けました。
区として患者をセカンドオピニオンや保健師等につなげる仕組みも必要と考えますが、現在、薬剤師会では、区の委託事業である重複頻回受診者等に対する相談事業の取組に加え、地域包括支援センターとも連携しながら、地域の薬局・薬剤師として健康や薬、治療などの悩みに対する相談支援をして

おり、さらに 24 時間体制のサポート強化・構築も検討されています。
実際に相談者からのお話を基に薬の適正使用等の助言や情報をかかりつけ医をはじめ多機関多職種と連携する仕組みであり、悩みを抱える方にとって大変心強い取組と考えます。
区としても、このような相談支援体制の取組や周知を積極的に支援、活用すべきと考えますが、ご所見を伺います。

続いて、ヤングケアラーへの支援について伺います。

区は、令和 4 年度にヤングケアラーの実態調査を行い、小学 6 年生では 1.6%、中学 2 年生では1.5%の児童生徒が、家族への世話の時間や頻度が高く、ヤングケアラーの可能性が高いことがわかっています。

一方で、ヤングケアラーの可能性が高い子供たちの中でも、生活への影響や本人の受け止め等には軽重があり、世話の影響をあまり感じない子どもも多くいます。また、自分が家庭内の家事等を担うことが、自身の家族内での役割と考えたり、家族のケアを担うことが、子供自身の生きがいになっているケースもあると言われています。そのため、子供自身が具体的な影響や負担感を訴えるケースは少なく、自分から課題に気づき、SOS を発しづらい状況も相まって、事態が顕在化しにくい現状も改めてわかってきたところです。

区では、ヤングケアラーチェックシートを作成し、ヤングケアラーの早期発見に努めていると聞いていますが、併せて、子供達自身を含めた気づきに繋がるヤングケアラーに関する更なる周知啓発の工夫と、発見から子供たちの個別状況に合わせた支援につなげることができるよう、例えば全公立小中学校で実施している悩みに関するアンケート調査に詳細項目を設けるなど、より詳しい個別状況を把握するための取組を含めて、継続的な見守りや支援につなぐための対応の強化が必要と考えますが、区のご所見を伺います。

また、ヤングケアラーとなっている子どもの状況を変えていくためには、子どもが日常的に担っている家事や家族の世話などの負担を軽減するサービスが必要となります。
保護者に障害や疾病等があった場合、障害福祉サービス等によるホームヘルプ事業やレスパイト事業であるショートステイなどを利用し、子どもの負担等を軽減することができるかもしれません。
一方で、既存のサービスでは負担を軽減できない場合は、個々の状況に合わせて、支援策を検討する必要があると考えます。
ヤングケアラーの負担軽減のため、配食等を行う自治体もある中、区においても支援策の充実を図る必要があると思いますが、区のご所見を伺います。

次に、商店街振興について伺います。

昨年度、牧野博士の朝ドラ放送に合わせて、大泉学園駅周辺商店街では、複数の商店会が連携して、ボタニカルアートの展示や、駅周辺の商店街マップの作成など、商店街の賑わい創出につなげる様々な取組が行われました。また、本年 6 月にオープンしたスタジオツアー東京の開設に合わせて、施設周辺の商店街が連携した飲食店等の周遊マップを作成するなど、「ねりま推し」をきっかけに、各商店会が連携して商店街のにぎわい創出につなげた素晴らしい成功事例があります。

商店会の会員店舗の高齢化が進み、これまでと同様の商店会単独での取組だけでは、商店街の賑わい創出を継続することは困難な状況となってきている今、新たな視点に立って取り組んでいくことが重要であると考えます。
「ねりま推し」をきっかけにした商店街同士の連携した取組は、この現状の課題を踏まえた、今後の新しい取組の一つであると実感しており、区内の各商店街で実際に取り組まれた成功事例を、「ねりま推し」の関連地域で終わらせることなく、区内の各地域に広げていくことが大切であると考えます。
ぜひ、事例共有を含め、商店会同士や商店街が民間企業等と連携した取組に対する支援の充実を図って頂きたいと考えますが、区のご所見を伺います。

また、スタジオツアー東京との連携については、これまで我が会派からも要望をしている所ですが、令和 5 年度の成人の日のつどいに際して、抽選で入場券をプレゼントする予定とのことであり、連携推進の取組を高く評価いたします。
このような、区民のための施設との更なる連携強化に加え、決算特別委員会でも提案した作品と連携したデザインマンホールの設置等商店街やまちにも連携させてゆくための取組拡大を期待しています。
今後は地元の貫井町においても、新たな美術館の開設が予定されていますので、ぜひ、新美術館との連携も含め、様々な地域における観光資源を活かした商店街活性化に力強く取り組んでいただくよう要望いたします。

この項の最後に、各商店街においても高齢化は進んでおりますが、その中には、イベントなどを通じて地域を盛り上げていきたいと考える若手経営者の方々もいらっしゃいます。このような将来の商店街活動を担う若手経営者の意欲や姿勢は大変喜ばしいことであり、商店街振興に意欲ある若手会員店舗同士が連携した取組についても、支援の充実を行って頂きたいと考えますが、区のご所見を伺います。

次に、美術館再整備及び一体的なまちづくりについて伺います。

これまでも、中村橋駅周辺地域では、地区計画や駅周辺交通バリアフリー基本構想の策定などのまちづくりに取り組み、一定の成果をあげられたことと思います。

中村橋駅周辺には、区立美術館と貫井図書館、美術の森緑地やサンライフ練馬、中村橋区民センターと、多くの公共施設が集積しています。今後、この公共施設の統合・再編が図られるとともに、周辺の都市計画道路の整備を含めた更なるまちづくりが進んでいくことにより、中村橋駅周辺がより魅力的なまちに生まれ変わるものと期待しています。

現在、美術館・図書館の改築について設計が進められていますが、まもなく基本設計が完了し、今年度中に実施設計に着手すると聞いています。
ワークショップで頂いたご意見と真摯に向き合い、誰もが使いやすく、将来にわたって魅力を発揮する美術館・図書館の創設に取り組んでいただきたいと思いますが、併せて、令和 4 年に策定された美術館再整備基本構想やこれからの図書館構想に示された「美術館と図書館の融合」をそれぞれの機能を損なうことなく実現することも大切です。そのため、今後はリニューアル後の運営形態についても検討を深める必要があると考えますが、区の見解についてお答えください。

加えて、美術館再整備基本構想では、「まちと一体となった美術館」をコンセプトの 1 つに掲げており、施設だけが変わるのではなく、まち全体で一体となって盛り上げていこうとする姿勢が重要と考えます。そこで、まちなかにおいても、アートと触れ合える工夫や新美術館設計者のアイディアの活用など、まちと施設との連携が必要と考えますが、美術館・図書館の再整備と連携・調和したまちづくりについて、区のご所見を伺います。

また、東京都により補助第 133 号線の整備が進められているところ、完成すれば将来的には新美術館のある中村橋とスタジオツアー東京とが道路で繋がることにより、より連携した取組も可能になると思います。
さらに、中村橋駅と富士見台駅間にある西武池袋線北側の側道は一部未整備箇所がありますが、開通できれば人々の回遊性も高まり、両駅周辺の活性化につながっていくことが期待できます。
富士見台駅周辺には防災以外のまちづくり検討会がありませんが、駅単位のまちづくりで駅周辺の活性化に終えることなく、まち単位でより一体的かつ広域的な視点を持ち、新美術館などの観光資源を契機とした、まち全体の活性化を目指した、希望溢れるまちづくりを進めていただきたいと強く願っています。改めて区のご所見をお答えください。

最後に貫井・富士見台地区のまちづくりについて伺います。

地元の貫井・富士見台地区は、住宅地として落ち着いた住環境と景観を有する地区ですが、災害時には、建物やブロック塀の倒壊による道路閉塞などの懸念があります。そのため、平成 23 度から密集住宅市街地整備促進事業を活用した防災まちづくりを進めており、四商通りの拡幅整備事業の進捗は北側区間で約 8 割、南側区間で約 3 割と聞いています。

一方で、四商通り沿いには綺麗なイチョウ並木があり、拡幅によって失われてしまうのではないかと心配する声も聞いています。そこで、東京都とどのように協議を進めているのか伺います。

また、四商通りから富士見台駅北口に続く線路沿いの道は、令和 3 年度から道路拡幅の事業に着手し、進捗は約 2 割と聞いています。富士見台駅北口の近くには、駅前広場の整備予定もあると伺っていますが、タクシーをはじめ多くの車両や人々が安全快適に往来出来るよう、将来を見据えた広い整備が必要と考えます。そこで、駅前広場の整備状況や今後の計画について伺います。

また、幅員が 4m 以上あっても、十分な歩道が確保されていない道は多くあります。富士見台駅、中村橋駅ともに、少なくとも歩行者交通量の多い商店街通りにおいては、より歩道の安全を図る工夫が必要であり、防災や防犯、安全性の向上のためにも無電柱化の推進を行なうべきと考えますが、区のご所見を伺います。

最後に、当地区内はみどりが区内においても少ない状況でありますが、生産緑地であったところを区が買い取り、公園として整備する予定も聞いています。公園の整備予定と課題対策について伺い、私の一般質問を終わります。

御清聴、誠にありがとうございました。

(区 答弁)

少子高齢化について 区長
 
 お答えいたします。少子高齢化についてです。

 今、日本は、少子化の進行、経済の低迷、国際的な地位の低下など、かつてない国家的危機に直面しています。しかし国は、この危機に正面から向き合おうとしていません。
 例えば先進国の少子化は、いわば人類の歴史の進展の結果であり、これを前提とした今後の社会のあり方、政策のあり方の検討を進めるべき時を迎えているのではないかと考えています。にもかかわらず、国は赤字国債の発行によりバラマキを繰り返し、今や債務残高はGDPの2倍を超える状況にあります。

 区長に就任して十年、この間、全国自治体を先導する多数の政策、「練馬区モデル」を実施してきました。その努力が功を奏し、全国でも稀な人口の増加傾向にあります。
 例えば、少子高齢化への対応を具体的に申し上げれば。私の長い念願であった区独自の幼保一元化施設「練馬こども園」の創設、保育所待機児童ゼロの三年連続達成、街かどケアカフェの設置、特別養護老人ホームの増設、病床一千床の大幅増、順天堂練馬病院への救急救命センターの開設など、福祉医療サービスは飛躍的に充実しました。
 これからもあらゆる分野で工夫を重ね、新たな「練馬区モデル」を展開し、区民の皆様にお約束した「改革ねりま第Ⅲ章」を必ず成し遂げよう。そう決意しています。
 私からは以上です。
 そのほかの質問につきましては、副区長、教育長および関係部長から答弁いたします。

商店街振興について 宮下副区長

 私から、商店街振興についてお答えいたします。
 本年、名誉区民である牧野富太郎博士が主人公のNHK朝ドラが放映され、また、ハリー・ポッタースタジオツアー東京が開設しました。
これを契機に、それぞれの地域において、地元商店会同士が連携した機運醸成の取組が展開され、メディアに大きく取り上げられました。
 参加された商店会からは、「商店街への人通りが多くなった」「新規の顧客や売上が増加した」「商店会の会員数が増えた」などの声が寄せられており、地域に賑わいをもたらしています。
 今後、こうした成功例を区内商店会においても共有し、商店会同士はもとより民間企業などの多様な主体と連携して取り組む活動への更なる支援について検討してまいります。
 商店街の活性化を図るためには、それを支える個店の充実が重要です。
 区ではこれまで、練馬区商店街連合会が実施する「まちゼミ」や、個店連携支援など、意欲ある個店の魅力向上につながる取組を支援してきました。区内の意欲的な個店経営者からは、「商店街の賑わいを創出したい・活性化させたい」といった声を頂いています。
 今後、個店同士が取組むイベント事業等に対する補助制度の充実について検討を進め、商店街の魅力向上や更なる活性化につなげてまいります。
 私からは以上です。

ヤングケアラーの支援について
⑴周知・啓発および学校での見守りや支援について
⑵支援策の充実について 
教育長

 私から、ヤングケアラーの支援について、お答えします。
 はじめに、ヤングケアラーの周知啓発および学校での見守りや支援についてです。
 学校が全児童生徒を対象に年3回行っている「ふれあい調査アンケート」実施に際し、国が作成した資料をもとにヤングケアラーについて児童生徒に説明しています。
 引き続き、東京都が作成する動画などを活用し、さらなる児童生徒、教員への周知啓発を行ってまいります。
 アンケートにおいて、困りごとがあると回答した場合には、ヤングケアラーチェックシートにより、回答した子供一人ひとりに担任が聞き取りを行うとともに、学校内で情報共有や見守り支援を行っています。アンケートの実施方法等については、より個別状況を把握できるよう、検討してまいります。
 次に、支援策の充実についてです。
 ヤングケアラーが抱える課題は多様であり、子供や家庭の状況に応じた支援を行う必要があります。子ども家庭支援センターでは、ヤングケアラーチェックシート等により把握した子供の状況を踏まえ、必要に応じて、情報共有と支援の調整を図り、支援方針を決定します。
 子供が担っているケアの負担を軽減するため、介護保険法や障害者総合支援法に基づくホームヘルプやショートステイのほか、学習支援・居場所事業、区に登録した民間事業者による見守り配食の利用など、個々に応じたきめ細やかな支援につなげています。
 今後、ヤングケアラーがいる家庭の養育状況の改善を図るため、現在実施している、支援が必要と判断した家庭に家事や育児等を行うヘルパー派遣事業を充実し、支援を強化してまいります。
 子ども家庭支援センターにヤングケアラーコーディネーターを配置し、福祉・教育・子育て等の関係者が連携した相談支援体制の充実を図ってまいります。
 私からは以上です。

美術館再整備と一体的まちづくりについて
地域文化部長

 私から、美術館再整備についてお答えします。
 美術館再整備基本構想に掲げた3つのコンセプトの実現を目指して、現在、基本設計を実施しています。ワークショップを5回開催し、「図書館と美術館が連動したイベントができるようにしてほしい」、「子供と一緒に絵本やおもちゃで遊べるスペースがほしい」など、参加者からいただいたご意見を参考に設計を進めています。年度内には実施設計に着手する予定です。
 再整備後は、効果的・効率的な管理運営と長期的な展望に立った運営を行うため、練馬区文化振興協会が指定管理者として運営することを想定しています。美術館としてのコンセプトの実現や、併設の図書館、新たに設置が想定されるカフェなどのサービス施設も含めて、各々の機能が相乗効果を発揮するよう、最適な運営形態を検討していきます。
 美術館再整備基本構想で掲げるコンセプトの1つである「まちと一体となった美術館」を実現するために、地元の町会や商店会、学識経験者などから構成される検討会を設置し、「美術のまち構想」の検討を進めています。
 検討の中でも、アートを感じられるようなまち並みの整備を望む意見が多く、その実現のために、美術館・図書館の設計コンセプトを踏まえたまちづくりの視点が重要です。
今後、美術館・図書館の設計者である平田晃久さんにも関わっていただくことを検討します。
 私からは以上です。

福祉人材の確保について
福祉部長(高齢施策担当部長)

 私から、福祉人材の確保等についてお答えいたします。
 生産年齢人口の減少が見込まれる中、介護人材の確保が一段と厳しくなることが想定され、人材確保・育成・定着支援策をさらに充実させていく必要があります。
 練馬福祉人材育成・研修センターを活用し、来年度から介護分野に参入した方のキャリアプラン作成支援や受験対策講座、介護事業者向けの組織内での人材育成支援講座を実施していきます。また、特に不足が見込まれるケアマネージャーに対する新たな資格取得費用助成制度を検討します。
 国が推奨する「ケアプランデータ連携システム」による介護事業所間の事務処理負担の軽減効果を高めるには、区内全ての事業所がこのシステムを導入することが望まれます。区は、東京都の補助事業の周知やシステム導入に向けた講習会を実施し、速やかに導入できるように支援していきます。
 介護福祉士養成施設の開設にあたっては、入学者の確保と卒業生が区内介護サービス事業所に就職し、定着することを誘導する仕組みづくりが課題です。特に留学生の確保には、修学資金や住まいなどへの支援が必要であり、運営法人と支援策の検討を進めています。今後、区内介護サービス事業所と連携しながら、卒業後の人材確保策について検討を進めてまいります。

 次に、手話通訳者への支援についてです。
 区は、昨年6月に制定した「練馬区障害者の意思疎通の促進と手話言語の普及に関する条例」に基づき、遠隔手話通訳を開始するなど、障害者の意思疎通支援の充実に取り組んでいます。
 現在、手話通訳者の方々とは、定期的に意見交換の場を設けています。手話通訳者の方々からは、「区外で活動することも多いため、交通費等の負担が大きい」などの声が寄せられています。今後、手話通訳者の報酬の改善や研修の充実について、検討してまいります。

複合的な課題や悩みを抱える方への支援について
福祉部長

 次に、複合的な課題や悩みを抱える方への支援についてです。
 区は、ひきこもりや8050問題など、複合的な課題を抱える世帯に対して、区の連携促進担当が中心となり、包括的な支援を行っています。
 本年4月に社会福祉協議会が運営するボランティア・地域福祉推進センターを複合的な課題を抱える方の相談窓口に位置付けました。10月末までに645件の相談を受け、連携推進担当や福祉事務所、保健相談所などの支援機関につないでいます。
 相談窓口の周知については、区ホームページ、公式X、LINE等で広く周知するほか福祉事務所、保健相談所、図書館、区民事務所などにポスターを掲示しています。
 今後、当事者・家族が日常的に利用するコンビニや薬局のご協力を得て、ポスターを掲示するなど、より効果的な周知に取り組んでまいります。
 次に連携した支援体制についてです。
 連携推進担当は、本年11月末時点で、複合的な課題を抱える29件について関係機関から支援に関する相談を受け、うち困難性が高い9件は、世帯の抱える課題の全体像を把握し、必要な支援内容の検討や支援方針の共有を行いました。
 今後、居場所提供から就労準備、職場定着まで行う「あすはステーション」を区西部へ増設します。さらに複合的な課題を抱える世帯に対する支援の充実に向けて、連携推進担当の体制強化を検討してまいります。
 私からは以上です。

複合的な課題や悩みを抱える方への支援について
(自殺対策について)
(薬剤の使用に関する相談支援について)
練馬区保健所長

 私から自殺対策についてお答えします。
 区は、現在、第2次自殺対策計画の策定に向けて検討を進めています。新たな計画では、働き盛りの男性への対策として、経営者対象の講座の開催や、自殺未遂者対策として自殺を企図して救急搬送された方を病院と連携して支援していく取組なども開始する考えです。自殺者が急増している若年者に対しては、自殺防止対策の要となる人材であるゲートキーパーの育成強化に向けて、今年度から高校生を対象とした出張講座も開催し、今後も充実していきます。
 次に、自死遺族支援についてです。
 区では、家族の自死を「周囲に知られたくない」といった遺族側の感情も踏まえ、NPO法人等が全国各地で実施している自死遺族のための家族のつどいについて、おくやみハンドブックや区ホームページで紹介してきました。本年10月、東京都は「とうきょう自死遺族総合支援窓口」を開設いたしました。すでに区は、ホームページで周知しており、今後は周知チラシの配布などによる情報提供に努めていきます。
 次に薬剤の使用に関する相談支援についてです。
 心の悩みを抱える方や精神疾患の方に対する支援については、医療との連携が欠かせません。薬の服用については、薬剤師の専門性が求められます。現在、薬剤師会では、24時間体制の薬局におけるサポート体制を検討しています。今後、薬剤師会とのさらなる連携に努めます。
 私からは以上です。

貫井・富士見台地区のまちづくりについて
都市整備部長

 私から、貫井・富士見台地区、中村橋駅周辺地区のまちづくりおよび福祉のまちづくりについてお答えします。
 貫井・富士見台地区では、平成23年度から密集事業を実施し、四商通りの拡幅に取り組んでいます。沿道の都立第四商業高校については、建替えが予定されており、これに合わせた用地取得について都と協議しています。拡幅用地内にあるイチョウ並木については、移植等による保全を都と協議しています。
 四商通りの整備の際には、都市防災機能の強化、安全で快適な歩行空間の確保に資する無電柱化を行います。商店街通りなどの無電柱化については、地上機器の設置場所の確保など、沿道の皆様のご協力が不可欠であることから、地域のご意見を伺いながら検討してまいります。
 富士見台駅の北口は、道路が狭く、車両の待機場所がないため、鉄道からタクシーなどの交通機関への乗り換えが不便な状況となっています。
 駅北口近くにおいて、地権者のご協力により、今年度中に用地を取得できる見込みとなりました。今後、交通管理者などと協議し、タクシーなどの乗り入れが可能な広場の整備に向けて取り組んでまいります。
 貫井3丁目の生産緑地を地区計画による地区公園に位置付け、今年度、用地を取得しました。地域の皆様のご意見を丁寧に伺いながら、憩いやコミュニティの場として、親しまれる公園となるよう検討を進めてまいります。

美術館再整備と一体的まちづくりについて
都市整備部長

 中村橋駅周辺地区では、美術館再整備基本構想に基づき、地元の町会や商店会、学識経験者などから構成する検討会を設けています。検討会では、美術館・図書館周辺のみならず、広域なエリアを対象に、まちづくりの検討も進めています。
 都市計画道路補助133号線については、「映像∞文化のまち構想」において、区立美術館と練馬城址公園を結ぶ道路としています。
 補助133号線を含めて、中村橋駅周辺においては、安全に周遊できる環境の整備が必要です。富士見台駅へ続く西武池袋線北側の側道についても、地域の回遊性の向上に資することから、引き続き、事業主体である都に早期整備を求めていきます。
 今後も、美術館・図書館の再整備を契機として、地域全体の活性化につながるよう、皆様のご意見を伺いながら、更なるまちづくりに取り組んでいきます。

福祉のまちづくりについて
都市整備部長(建築・開発担当部長)

 次に、福祉のまちづくりについてです。
 日々、多くの方々にご利用いただいている区立施設については、利用者のご意見・ご要望をお聞きし、誰もが使いやすい施設としていくことが肝要です。
 区では、区立施設等を新設・改修する際、練馬区福祉のまちづくり推進条例に基づき、基本設計の段階から、障害者団体や、公募による高齢者、子育て層等の方々のご意見をお聞きし、設計に活かす取組を実施しています。
 既存の区立施設については、それぞれの施設でご意見等を伺っています。バリアフリーやユニバーサルデザインを担当する福祉部・都市整備部の窓口においても、ご相談をお受けしています。
 より多くのご意見をお受けできるよう、相談窓口をホームページ等で周知してまいります。
 区は、障害者、高齢者等の外出環境の向上を目指し、駅と公共施設を結ぶアクセスルートを定め、バリアフリー整備に取り組んでいます。
 ベンチについては、通行の障害となることから道路上への設置が困難です。アクセスルート沿道の方々に対して、施設を改修する際に、設置をお願いしています。
 引き続き、地域の皆様のご理解を得て、福祉のまちづくりに取り組んでまいります。
 以上であります。

タイトルとURLをコピーしました